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なぜ今「天皇主権説」再考なのか・その3 (連載「パックス・ジャポニカ」への道)

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国家破産の理由、原因が、諸外国のボッタくりに99.666%に受け取れるところが?ですが。
天皇制、ロイヤルファミリー、世界王族ということでは、板垣説最新や、名無し先生との対比、参照ですが。
マネーゲームの分析専門家ということでは、カレン・ヒューダス、フルフォード、コブラ説とも対比ですね。
陰謀、オカルト宇宙人編は、あとまだ数時間後になりそうですが。


なぜ今「天皇主権説」再考なのか・その3 (連載「パックス・ジャポニカ」への道)
http://blog.goo.ne.jp/shiome/e/bed92196b288cd2d34ecf909d4f44feb

(2014年10月24日発売予定(最新刊)・詳細はこちら

 

先月(9月)23日(米東部時間)、米国を中心とする「有志国連合(coalition)」 はシリア領内におけるイスラム系武装集団「イスラム国(IS)」に対する空爆を開始した。
その一方で今月(10月)に入り2日(日本時間)、我が国におい て株価が大幅な崩落を見せた。
この二つの現象はあたかも全く別々の事柄のように見えるかもしれないが、実のところその根底において不可分であることをまずは認識しなければならない。


先日より公開している弊研究所のWhiteboard seminarにおいても述べたことなのであるが、国の借金、すなわち「公的債務残高」が極端なレヴェルにまで増えてしまった場合、当該国家がとり得る手段は以下の4つしかないことが少なくとも現在までの歴史においては明らかになっている:

 

●経済成長を速やかに遂げて国家としての歳入を増やす

●債務交換(debt swap)を行うなどして債務を減免する

●ハイパーインフレーションを意図的に発生させ、債務を事実上圧縮する

●戦争経済に以降し、需給バランスを整える

 

米国がこれまでも繰り返し選択し、また今この瞬間にも採用し始めたのは明らかに第4の選択肢、すなわち「戦争経済への移行」である。
こ れまでの戦争同様、米国(そして欧州)は様々な手段を用いて「大義名分」を語っているが、グローバル・マクロという観点から見るととどのつまり、戦争経済 に突入することを通じて、過剰な供給に対し、急激かつ大量の需要を発生させることで両者の間のバランスをとろうという試みなのである。

一方の我が国であるが、米国と同じ手段を選択することは出来ない。なぜならば今や「ノーベル平和賞」を受賞するかもしれないと言われ始めている「日本国憲法第9条」に よってあからさまな戦争経済への移行を行うことが禁止されているからである。我が国の公的債務残高がもはや悲劇的なレヴェルにまで積み上がっていることは 周知の事実であるが、これを解消するためには上述の4つの手段の中でも最初の3つしか選択することが出来ないのである。

この内、いわば「王道」であるはずなのが最初の選択肢である。確かに我が国も経済成長戦略を打ち出し、表向きはこれを実現しようという素振りを見せ てはいる。だが明らかにその内容はおよそ「本気で経済成長を遂げようとなりふり構わず努力している」と言える代物ではないのである。「元素転換」といっ た、既に存在しているがアカデミズムや産業界の既得利権層からすれば絶対に忌避したいイノベーションを採用することはなく、その一方で「カジノ合法化」や 「ウーマノミクス」といった二の次の手段にばかり終始しているのだ。かつての自動車産業がそうであったように、我が国の産業界、そして国民経済全体に巨大 なインパクトを与えるような刷新があってこそ、外側から富をもってくるという意味での経済成長の達成とそれを通じた国家歳入の増大を実現することが出来る のである。単に外国人富裕層から小金を巻き上げること(「カジノ合法化」)や、あるいは「何をもって富を増やすか」という戦略無しに就労人口を増やすこと (「ウーマノミクス」)をしても、何ら意味が無いのである。

それでは第2の手段をとり得るのかというと、これもなかなか難しい。我が国において公的債務残高に占める外国人投資家との関係における債務の割合は 約8パーセントにとどまってはいる。だがいざとなると「約8パーセント」であれ、外国人債権者がごねはじめると国家としてもはや身動きをとれなくなるとい うことは、「技術的なデフォルト(「テクニカル・デフォルト)」に陥ったアルゼンチンの例からも明らかなのである。この事例では今や米国がアルゼンチンに債務の履行を求めて経済制裁を行うのではないかというところにまで事態が発展してしまっているが、そのことからもエスカレートしてしまった事態を抑えるためにはかなりの「外交手腕」が必要であることが明らかなのだ。この観点で我が国外交当局が明確なる意識をもって現段階から周到な準備を行い、「その時」に備えているとは到底考えられない。

したがって残るは3番目の手段しかないということになってくる。つまり意図的なハイパーインフレーションによる債務の圧縮である。こ れがなぜ当局にとって望ましいのかといえば、金融緩和によってハイパーインフレーションへと誘導することに表向き反対する者は当初、誰もいないからであ る。より具体的に言うならば金融・財政当局は当初、「景気浮揚のため」といって極端なインフレ誘導を行えば良いのだ。これによって資産バブルが発生すれ ば、国民の中の一定の階層たちは裨益し、そうした政策への支持も生まれて来る。そのため「票になる」と鋭い嗅覚をもって察した政治家たちもこれに反対する ことはおよそ無いのである(そもそも大前提として金融・財政当局が繰り広げる「精緻な数字の議論」についていくことが出来ないという事実もある)。

すなわちこの政策が「都合が良い」のは民主主義による歯止めが事実上、一切かからないところで展開するという点にあるのだ。いわば「茹でガエル」な のであって、気付いた時にはもはや手遅れなほどの大量の紙幣が刷られ、市中にばら撒かれ、そのことが人々の意識に上がった瞬間にハイパーインフレーション が発生してしまうというわけなのである。我が国の場合、公的債務残高の9割以上は国内の債権者との関係におけるものであり、しかもその多くが私たち国民の 預貯金を通じて成立している。つまり悲しいかな、私たち国民は一時の「バブル」という快楽に興じている間に自分たちの立っている地面が崩れ去ることを知ら ず、このまま行くと最後は奈落の底に落ちてしまうというわけなのだ。無論、その瞬間に私たち国民は「責任者」を求めて国内で絶叫しあうことになる。「倭国大乱」(後漢書)の始まりである。

もっとも、大事なことは事態がここに止まらないという点にある。―――今や戦争経済へと移行した米国がその「代金」を我が国に求めて来ることは必至 である。「小切手外交」として揶揄された1990年代初頭の「湾岸戦争」の際、そして我が国が対北朝鮮外交についてフリー・ハンドを得るために不承不承認 めた今世紀初頭の「イラクに対する武力行使」の際にも、これらはいずれも最終的に我が国の資金拠出によって賄われたことを忘れてはならないのだ。特に後者 は巧妙であり、その当時(表向きはともかく)事実上存在していなかった「イラク政府」に対する無償資金協力援助(ODA)という形で実施され、その全額が まず英国のロンドン・シティへと振り込まれ、内一部が米国へと転送される形で資金分配が行われた。

現在進行形の「ISに対する戦い」はあたかも我が国とは無関係のもののように思えるかもしれないが、その実、最後のツケは確実に我が国に廻って来るものなのである。しかも今度の「戦争」は果てしなく長く、また陰惨なものになることが容易に想定出来るのだ。その分、我が国に米欧から突き付けられる「勘定書」の金額は天文学的な数字のものになってくることは間違いない。

懸命なる読者の皆さんはここでお分かりになったと想うが、我が国がハイパーインフレーションに自ら陥ろうとしている最大の理由はここにあるのであ る。つまり確かに国民は塗炭の苦しみを知られるにせよ、それ以上の「搾取」を強いようとする米欧に対抗するためには「無い袖は振れない」ということを国内 外に示す必要があるのである。ハイパーインフレーションを自作自演することにより、我が国にある全てを奪おうと牙を剥いてくる米国(そして欧州)に対して我が国らしく「無言だが決死の抵抗」を占めそうという戦略なのだ。

今や我が国の外交当局ですら全く認識していないことであるが、1945年8月15日をもって我が国は米国から「当然の如く奪われる国家」へと転落し た。「敗戦国」となったのであるから致し方ないことである。しかし我が国の統治エリートたちは決死の抵抗を試み、そうした越境する富の収奪に対して一つの 歯止めをかけることに成功したのである。その死闘の軌跡は日米安全保障体制、そして日米同盟の根底を成している次の国際約束の一文に集約されている。

 

(日米相互防衛協定より抜粋)

「第1条〔援助の供与及び使用〕
(1)各政府は、経済の安定が国際の平和及び安全保障に欠くことができないという原則と矛盾しない限り、他方の政府に対し、及びこの協定の両署名政府が各場合に合意するその他の政府に対し、援助を供与する政府が承認することがある装備、資材、役務その他の援助を、両署名政府の間で行うべき細目取極に従つて、使用に供するものとする」

下線を施したところから明らかであるとおり、要するに我が国は自らの経済が「安定」していない限り、米国に対して援助をしなくてよいことが明文化されているのである。ハイパーインフレーションの発生が「経済の不安定化」に相当することは誰の目にも明らかである。つまり、ハイパーインフレーションの意図的な惹起は米国による国富奪取に対していよいよ「NO」というための準備だというわけなのだ。

こうした攻撃を思わず受けることになる米国が怒り心頭となるのは言うまでもない。「約束が違う」と騒ぎ立てるはずだ。そして手段を選ばず、こうした巧妙な手段をもって抵抗する我が国の本当の意思決定主体をめがけて一斉に攻撃を仕掛けて来ることは間違いないのである。

我が国の統治エリートが1945年8月15日の「敗戦」という屈辱にもかかわらず、命がけで守ろうとしたもの。それは「国体の護持」であった。

 

1945年8月10日東郷外務大臣発在スイス並びにスウェーデン大使宛公電

『帝国政府ニ於テハ常ニ世界平和ノ促進ヲ冀求シ給ヒ今次戦争ノ継続ニ依リ齎ラサルヘキ惨禍ヨリ人類ヲ免カレシメンカ為速ナル戦闘ノ終結ヲ祈念シ給フ
天皇陛下ノ大御心ニ従ヒ数週間前当時中立関係ニ在リタル「ソヴィエト」聯邦政府ニ対シ敵国トノ平和恢復ノ為斡旋ヲ依頼セルカ不幸ニシテ右帝国政府ノ平和招来ニ対スル努力ハ結実ヲ見ス茲ニ於テ帝国政府ハ
天皇陛下ノ一般的平和克服ニ対スル御祈念ニ基キ戦争ノ惨禍ヲ出来得ル限リ速ニ終止セシメンコトヲ欲シ左ノ通リ決定セリ
帝国政府ハ一九四五年七月二十六日「ポツダム」ニ於テ米、英、支三国政府首脳者ニ依リ発表セラレ爾後「ソ」聯政府ノ参加ヲ見タル共同宣言ニ挙ケラレタル条件ヲ右宣言ハ 天皇ノ国家統治ノ大権ヲ変更スルノ要求ヲ包含シ居ラサルコトノ了解ノ下ニ受諾ス
帝国政府ハ右了解ニシテ誤リナキヲ信シ本件ニ関スル明確ナル意向カ速ニ表示セラレンコトヲ切望ス』

 

「約束が違う」ということになれば米国が今から69年前に行われた対日交渉の原点に戻ることは間違いない。富の収奪という観点で利用価値があると 思ったからこそ「国体の護持=天皇制の存続」に応じ、日米安全保障体制の基本文書への一文の挿入にも応じたのである。ところがよりによって我が国が公然と この本当の「密約」を反故にし始めるというのであれば、米国としてももはや手段を択ばずということになってくるのだ。つまり交渉条件であった「国体の護持=天皇制の存続」はもはや米国として保障しないということになってくる。

そう、本当の日米交渉が始まるのはこの瞬間からなのである。どこからともなく「民主化」運動が再び巻き起こる中で、我が国では政治体制の転換に向けたうねりが始まるはずだ。上述の「倭国大乱」そのものであるが、そこには明らかに米国の陰がついて廻るのである。

だがこれに対峙すべき我が国の「本当の中心」の側においても、何ら手をこまねいて見ているだけであるはずもないのだ。「事実上のデフォルトになった のは戦後、GHQが刷り込んだアメリカン・デモクラシーによる無節操な政策運営のせいである」という議論が今度はどこからともなく我が国において巻き起こ り、その意味での新体制樹立に向けた国民運動が起きることになる。その背後に見えざる我が国の「本当の中心」の姿があることは間違いないわけであるが、問題は表向きデフォルト(財政破綻)に陥る中で果たしてこうした国民運動のための資金はどこから捻出されるのかという点にある。そこで焦点となってくるのが次の条文なのである。

 

(財政法より抜粋)

「第四十四条  国は、法律を以て定める場合に限り、特別の資金を保有することができる」

 

事実を知らない私たちはこの条文を見ると「特別の資金=特別会計」と単純に思い込んでしまう。しかし「特別の資金」はあくまでも「特別の資金」なの である。それ以上でもそれ以下でもないことをあくまでも踏まえておく必要がある。そしてここに、「敗戦」という屈辱を経てもなお我が国を守るため、想像を 絶するほどの死闘を演じた当時の我が国における統治エリートたちの姿を感じ、感謝の念を今こそ私たち日本人は抱くべきなのである。

 

いずれにせよ残された時間は少ない。為すべきことを今すぐ考え、行動しなければ「未来」は無いのである。

 

原田武夫記す

(2014年10月5日 長崎にて)

 

【御知らせ】

●最新刊「甦る上杉愼吉――天皇主権説という名の亡霊」(講談社)は2014年10月24日に発売開始予定です。先行予約発売を既に行っています。こちらからお申込み下さいなお弊研究所の会員制サーヴィス「原田武夫ゲマインシャフト」の会員様限定の新刊記念講演会を実施する予定であり、それに向けて新たに会員募集を行う予定です。別途告知致しますので今しばらくお待ちください

●先般リリース致しました無料動画セミナー「Whiteboard seminar」、既にご覧頂けましたでしょうか?原則週1回の配信ですが、情勢に応じて随時配信して参ります。お見逃し無きよう、こちらから「無料配信登録」を行われるようお奨め致します


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